おジィにウソをついて金の無心を図るテツ。おジィはドラ息子、テツの執念に負けてお金を渡す。それを訊いたおバァ。「ドアホー、テツに金を渡してどうするのや」と激怒。翌日、気弱なおジィはホルモンの材料を収めにチエの店に行く。おジィは店内のチエにテツの行方を尋ねるが、案の定自宅には帰っていない。そのころ賭場「遊興倶楽部」ではテツの「インケツ」の声が響いていた。イカサマではないかというテツの言いがかりに大混乱。やがて用心棒が登場し、また今日も大ゲンカに。

今日もチエはひとりでホルモン屋を切り盛り。“いけ好かん”客が帰るとき、クシの数をごかまされていることに気付く。「証拠でもあるんか」という言葉に追い詰められた時、テツが登場し、睨みで脅す。それを見てチエは一言「テツでも役に立つときがあるんだな」。その時、ノレン屋が注文の品を届けにきた。新しいノレンには「チエちゃん」の文字が。ワシの店をのっとるつもりやなと焦るテツ。改名はおバァがさせたことだったのだ。

チエは下校中にバクチ仲間といるテツを見かける。なぜか「くるな～」と叫ぶテツ……じつは次に通る人が男か女かを賭けていたのだ。チエは立ち去るとき、一枚の紙を落とす。「授業参観のお知らせ」だった。チエは紙を落としたことに気づき、テツさえ見つからなければいいと願っていたが……。参観日の当日。ジャケットにカンカン帽でバッチリ決めたテツの姿があった。騒々しく教室に入るテツにチエは赤面、先生の問いに手も挙げられない。それを見てテツがさらに騒ぐ。ついにテツは怒って担任の花井渉にやつあたりしはじめてしまったから教室は大騒動に。

朝、家の軒先で歯を磨くチエは一輪の花を見つけた。お母はん、ヨシ江の合図だ。夜通しのバクチから帰ってきたテツは、おめかしして出かけるチエを見てビックリ。チエはテツには内緒で、別居中のヨシ江と「秘密のデート」に行くところなのだ。公園で落ち合った二人はひょうたん池のボートに乗りながら、つかの間の親子の時間を過ごす。二人で入ったぜんざい屋で、ヨシ江はテツと会いたいことを伝える。複雑な心をチエにこぼすヨシ江。そのとき店のおかみさんから迷い猫を飼わないかとの誘いが。チエは飼うことに決めた。

チエはぜんざい屋でもらった迷い猫の名前を思案中。しかし、どんな名前も嫌がる猫にチエのイライラは頂点に……。いうことを聞かないところはテツそっくりと名前を「小鉄」に決めた。夜になり、いつもの様に店に立つチエ。そのとき、ガラの悪い客が現れた。賭場「遊興倶楽部」の社長とその用心棒たちが、テツの借金の取立てにきたのだ。社長は店の奥にいる小鉄に気づき、愛猫のアントニオと戦わせることに。障子の向こうでケンカが始まる。やがて出てきたのはキンタマを取られて、ボロボロになったアントニオだった。

ヨシ江と会う時の体裁を繕うため、テツの仕事を探しに出かけたチエ。その途中、マサルとタカシに呼び止められる。なんとテツが道で倒れているとのこと。医者に見てもらったところテツの病気は「風邪」。「あれは迷信だったんやなあ」と不思議がる医者だった……。おジィはヨシ江と会わせるいい機会と思いつく。その晩、おバァの家にヨシ江がやってきた。ヨシ江はテツ会う決意をして家に向かった。家に着いたら病人のはずのテツがなんとバクチ仲間となんとカブをしていた。

テツの仕事探しを続けるチエ。どの求人をみてもテツには無理なものばかり。「遊興倶楽部」の社長（百合根）に呼び止められる。アントニオが死んだショックでバクチ屋から足を洗い、お好み焼屋を始めたのだ。人が変わった百合根はチエにお好み焼をおごる。剥製になったアントニオの最後を涙と鼻水をこぼしながら語る百合根。お好み焼にしっかり掛かりチエは困惑する。その時、店にカルメラ兄弟が現れた。百合根に絡む兄弟。カタギの店にしたい百合根は用心棒が欲しいとチエにこぼす。その条件はテツにピッタリだった。

お好み焼屋で用心棒をすることになったテツ。ヤーさんは来なくなったが退屈な様子。ともあれテツの仕事は続いているからチエは一安心だ。家に戻ると小鉄が縄で縛られていた。遊興倶楽部の元用心棒「四人組」の仕業だ。仕事を失った腹いせからテツにお礼参りをしにきたのだ。テツには役不足と安心したチエだが、おバァの反応は違った。テツが勝てるのは三人まで。四人では負けるからだ。テツを助けるためではなく脅迫状に自分の悪口を見つけたおバァは、懲らしめる覚悟で四人組のいるひょうたん池に向かうことに。

今日はチエがヨシ江と会う日。おめかしを不審に思うテツを無視してチエは家を出た。神社のお祭りを練り歩くチエとヨシ江。神社でカルメラ焼の屋台を出していたカルメラ兄弟に呼ばれた。カルメラをおごってもらうことになったチエ。あとで取りに来ると約束した。偶然、テツも境内をバクチ仲間と歩いていた。テツはカルメラ兄弟から、チエが見知らぬ人と歩いていることを告げられた。そのとき、チエ達がカルメラを取りに屋台に再び来た。慌てて隠れるテツ。チエとヨシ江がこっそり会っていることを知りショックを受けた。

テツは、チエが内緒でヨシ江と会っていることがショックだった。すねてお好み焼屋で寝泊まりする日々。公園のベンチで暇を潰していると、ランニングをするマサルとタカシを見つけた。二人から小学校のマラソン大会が開かれることを聞いたテツは、いまこそ父の威厳を見せるチャンスとばかりに、チエにランニングシューズをプレゼントすることに。マラソン大会当日、テツは百合根を初め大応援団を引き連れ会場に現れた。しつこく後を付けてくるガラの悪い応援団に恥ずかしさいっぱいのチエは、猛スパートで駆けだした。

家庭訪問の日がやってきた。放課後、校門の前で花井渉先生を待つチエは、暗い気持ちでいっぱい。テツが先生と会ったら授業参観の時みたいにどつきかねないからだ。やがて渉が現れた。先生はテツのことになぜか詳しくなっている様子。自宅で渉が持ってきたテツの小学校時代のアルバム見るテツとチエ。渉は当時、テツの担任だった花井拳骨先生を指さした。なんと渉はテツの小学校時代の担任の息子だったのだ。鬼先生の息子がチエの担任と知って恐怖のテツ。さらに拳骨がこれから家にくることになり大騒ぎに。

テツが熟睡しているのを確かめたおバァとチエ。無防備のテツを襲ってヒゲを剃る作戦が大成功。ゴネるテツだが、拳骨が現れてキツい一喝……渋々スーツに着替えた。事情の分からないテツだったが、これからヨシ江と会うこと知らされて気が動転。ご対面の場所、ひょうたん池についたテツ。ヨシ江の顔を見たとたん、いつもの強気はすっかり消えてガチガチになってしまった。離れたところから固唾を飲んで見守る一同。頼りなさげなテツの姿を見て、チエはヨシ江が帰ってきたらどうなるのかとちょっと不安になる。