第1話 出前で失敗 お地蔵さんの巻
いい陽気のある日。おバァが仕入れの品を持って店にやってきた。話題がテツの事に及ぶとチエはせっかくのいい気分が台無しにという表情に……。その頃、テツはカルメラ亭でラーメンを食べていた。テツはラーメンを食べさらい寝小便騒動から続いてきた記憶喪失から復活。バクチみたいに儲かる商売を考え始める。ひらめいたのはお好み焼屋。一升瓶を抱えてテツは百合根のところへ向かう。テツの差し入れた酒を呑み出す百合根はどこかヤケ酒の様。酔いつぶれて「カオル」と呟き始める。
第2話 恐怖の「人間マンホール」の巻
テツは百合根の呟いた「カオル」の言葉が気になっていた。百合根の女の名前と思っているテツだが、チエは息子の名前であることを知っていた。テツは“フラレの天才”ミツルを呼び出し、百合根を元気にさせる方法を聞き出すことに。一方、チエの店ではおバァがお客から聞いた「人間マンホール」の話題をしだす。マンホールに流すように大酒を呑む男がいるというのだ。おバァは自分の店で酒豪でも無理な「三本空けたらタダ」になるサービスで誘うことに。「人間マンホール」はおバァの店に来たが、なんと五本を呑んでいるところだった。
第3話 「人間マンホール」なんてカモの巻
チエが慌てて学校から帰って来た。店の中には「当分お酒はやめました」の張り紙を張り、人間マンホールの対策を考えていたのだ。しかし、テツにとってはこの話は儲け話のネタ、悪巧みを思いつく。その直後、テツはお好み焼屋へ出向く。百合根は連日重なる酒とテツの相手で爆発寸前。それを解消するテツの悪巧みとは……。その夜、チエの店ではおバァの店から流れてきた人間マンホールの友人達であるお客で繁盛していた。
第4話 対決の日の前祝いの巻
テツは朝から方々に奔走していた。不審に思ったチエが問いただすがテツはうまくはぐらかす。その後テツはカルメラ亭にいた。カルメラ兄弟に百合根と人間マンホールの酒呑み対決のバクチを誘う。カルメラ兄弟は人間マンホールが本当に六本空けたのか確かめるためにおバァの所へ行く。その時、テツの悪巧みを知るおバァだったが、どっちが勝つにせよ店は儲かるので大喜び。逆にチエは馬鹿馬鹿しい話と呆れるのだった。テツはさらにカルメラに、百合根を応援する“ある秘策”を依頼する。
第5話 対決「人間マンホール対爆弾の王者」①の巻
対決の当日。テツはルールを詰めるのに必至。珍しく机に向かっていた。さらに何かを考えているが、それはカルメラに依頼する百合根の“応援歌”だった。さらにテツは今回の主役、百合根の家へと向かう。しかし、百合根は勝負の日というのに既に酒を呑んでいた。ガックリするテツ。百合根はチエの店でも呑み、寝だした。夜になり、人間マンホールがやってきた。友人から今回の件を聞き、テツに復讐するためバクチに参加するヤクザも、その後ろから登場。いよいよ酒呑み対決のメンバーが揃った。
第6話 対決「人間マンホール対ばくだんの王者」②の巻
カウンターに百合根と人間マンホールが座り、いよいよ勝負が始まる。泥酔の百合根は最初からラッパ呑みで全開。一方、人間マンホールはコップで静かに呑み続ける。店の表ではテツと人間マンホールの友人達がルールの確認をしていた。五十万円を賭けた人物の正体に話が及び、テツはヤクザが参加している事を知り、俄然本気になる。百合根は昼間空けた計7本の反動が来ていた。人間マンホールはペースを乱され、呑みのピッチを上げた。勝負は荒れ模様に……。そのとき、カルメラ兄弟がやってきて「カオルちゃん」の歌を歌い始めた。
第7話 ヒラメちゃんのスカウトの巻
呑み対決から一月後。テツは金の行方を聞くために、今日もお好み焼屋の前でゴネていた。シラフに戻った百合根はテツに顔を向けることができず、今日も酔った振りでテツを追い返すがとうとうチエに泣きつく。その頃、ヒラメは道ですれ違った初老の男性から声を掛けられる。男性はヒラメの顔を見て大喜び。ヒラメは誘拐犯と思い、怖くなって近くのカルメラ亭にいたテツに助けを求めた。チエは家の前でヒラメが来るのを待っていたが、やってきたのはテツ。ヒラメが“スカウト”されたことを聞きチエは驚くのだった。
第8話 ヒラメちゃんはモデルさんの巻
チエはヒラメが登校してくるのを待っていた。ヒラメから詳細を聞き、テツの言うことが本当だと知るチエ。テツは男性と直接何かを交渉して「まかしとけ」の一言をヒラメに伝えたらしい。チエはその展開に不吉な予感をする。放課後、校門ではテツが待っていた。ヒラメを男性の家まで連れていくためだ。心配に思うチエも同行することにした。男性はヒラメの顔を再び大絶賛。その横で画商がテツに話しかける。不審な男性の正体は有名な画家、野見山正蔵。ヒラメは絵のモデルとして招かれて、テツはそのマネージャー役で報酬を狙っていたのだ。
第9話 儲かる顔はみな同じの巻
テツは野見山の作品が数百万円と聞き、びびってマネージャー役を降りてしまう。かわりに今日からヒラメの母が同行することになった。テツはさらにヒラメのモデル代がタダになることをチエから聞く。しかし、テツは引き下がらない。ヒラメ兄、丸太にモデルをさせて、再びモデル代の一部をせしめることをひらめくのだ。テツはヒラメ一家と同行して野見山のアトリエへ向かう。やがて、おバァとチエが家にいると、画商が訪ねてきた。事情を聞いたおバァはヒラメの家族のモデル代の皮算用を始める始末……。
第10話 丸太はヒラメのお姉さんの巻
放課後、チエとヒラメは本屋に行くことにした。野見山が有名な画家なら画集があるだろうと思ったからだ。本屋にはすでにおバァが居て、先に本を見つけていた。有名な画家という話は本当だと分かったチエ達。さらに拳骨が解説文を書いていることも判明。野見山と拳骨は知り合いだったのだ。さっそく拳骨に野見山の事を聞きに向かう三人だったが、拳骨は野見山のけったいな絵をけなし始める。一方、テツは丸太を家に呼んでいた。毛糸のカツラをかぶせて“ヒラメのお姉ちゃん”に仕立て、モデル代を取ろうという魂胆なのだ。
第11話 ガムテープのテツの巻
ヒラメが野見山からモデル代の代わりに数百万相当の絵をもらったという話を聞き、テツは我を失い、フラフラになって家を出ていく。やがて、お好み焼屋に現れたテツ。酒呑み対決の言いがかりに来たと思った百合根は恐る恐る戸を開けるが、そこに居たのはガムテープでヒラメの様な顔を作ったテツだった。これから野見山の所へ行って、モデルになるというのだ。やがて、テツは野見山に書いてもらった絵を震えながら持ち帰ってきた。チエを連れて額縁を買いに出かける。やがて、誰も居なくなったチエの家に、おバァがやってきたが……。
第12話 テツの顔はウン百万の巻
おバァは座敷でテツの顔の絵を見つける。あまりにアホな絵におバァは立腹し、落書きを始める。その頃、テツとチエは画材屋に額縁を買いに向かっていた。テツは家にある絵は野見山に書いてもらったものと打ち明ける。やがて家に戻り、おバァの落書きが加わった絵を見て言葉を失う二人。おバァも取り返しの付かないことをした事に気付く。そこに拳骨と周が現れた。拳骨はテツに仕掛けたイタズラの波紋を楽しみにしていたのだが……。