本心を閉じ込められながら毎日を過ごす
女子高生・茜寧の前に現れたのは、
小説に登場する〈あい〉
そっくりな人物だった──

あらすじ_見出し

女子高生の糸林茜寧いとばやしあかねは、友達や恋人に囲まれ、本屋でのアルバイトにも励みながら充実した日々を送っている。しかしそれは、「愛されたい」という感情に縛られ、ひたすら偽りの自分を演じ続けるという苦しい毎日だった。誰にも明かせない本心を解放できるのは、自分にそっくりな主人公が描かれる『少女のマーチ』という小説を読んでいる間だけだ。

そんなある日、茜寧は『少女のマーチ』の登場人物の一人、〈あい〉にそっくりな人と街で出逢う。本で読んだとおりの風貌と性格を持つその人は、自らを〈あい〉だと名乗った。これは偶然なのか――?

「愛されたい」に囚われた女子高生、ありのままを誇る美しい青年、自らのストーリーを作り続けるアイドル、他者の失敗を探し求める少年……それぞれの踏み出す一歩が交差して響き合う、青春群像劇。

著者よりコメント_見出し

花_挿絵

はじめましての方も、お久しぶりの方も、こんなところまで読んでくださりありがとうございます。住野よるです。今作「腹を割ったら血が出るだけさ」では、たくさんの人物が登場します。名前が出てくるだけで20人以上、その中の誰かは、今ここを読んでくださっているあなたに似た人かもしれません。ひょっとしたら周りの誰かに心当たりがあるかもしれません。
あなたがどんな人生を歩んでいるのかは分かりませんので、悩みを解決することや倒れそうなのを助けることが僕にはできません。でも、登場人物の誰かが、あなたがあなたを支える小さなきっかけになってくれればと、願っています。
よかったら本を通して、遊びましょう。

住野よる

高校時代より執筆活動を開始。2015年『君の膵臓をたべたい』でデビュー。同作で2016年「本屋大賞」第2位、Yahoo!検索大賞“小説部門賞”など、数多くの賞を受賞した。著書に『また、同じ夢を見ていた』『よるのばけもの』『か「」く「」し「」ご「」と「』『青くて痛くて脆い』『この気持ちもいつか忘れる』、「麦本三歩の好きなもの」シリーズなど。ライブハウスと書店が好き。

住野よる『腹を割ったら血が出るだけさ』 | 双葉社_書影

『腹を割ったら血が出るだけさ』

著者名:住野よる

装画:房野聖

発売日:7月27日

※一部地域では発売日が異なります

定価:1,650円(本体1,500円)

ISBN:978-4-575-24543-1

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