第1話 宿題の旅の巻
夏休みの宿題でチエは何か変わったことを作文に題材にしようと考えていたが、カブをやりたいテツはチエをひょうたん池まで追いかけてくる。しつこいテツに折れたチエはベンチでカブを始める。それを見ていたマサルとタカシ。チエの日常の行動範囲の狭さを指摘。そんなマサルは夏の間にイメージチェンジを図るべく、男のロマンと冒険を体験し、作文の題材にすることを決める。その頃、ヒラメも宿題の題材について悩んでいた。するとヒラメの母から、目的のない旅行について話を聞く。ヒラメはチエに目的のない旅行に行こうと提案するのだった。
第2話 西萩少年少女探検隊の巻
朝、ヒラメとの目的のない旅行の準備中だが、おバァは少々心配気味。そんな中、寝ぼけたフリで外に出たテツ。向かった先はおジィのところ。チエのことが心配だから付いて行くと、半ば強制的におジィからお金をせびるテツだった。ヨシ江らに改札で見送られるチエとヒラメ。その後を追うようにマサルとタカシ。心配そうなマサルの母を尻目に、旅立つべく改札を抜けるのだった。そしてもう一人、電車に乗ろうとするテツがいた……。
第3話 山へ川への巻
見知らぬ景色を見ているうちに不安が吹き飛んで行くチエとヒラメ。逆にマサルは、駅まで来ていた母親の姿を思い出して沈んでいた。その頃、自分が何処に向かっているのかわからなくなったテツ。乗客に場所を尋ねようとするが、電車の揺れで頭をぶつけノビてしまうのだった。「香部(かぶ)」駅という縁起でもない駅に着いたチエとヒラメ。河原で弁当を食べているうちにアン蜜が食べたくなり、帰ることを決めるふたり。全く相反する様に香部駅に降り立つ、マサル、タカシ、テツはどんどん山中に入り込んで行くのであった。
第4話 男の旅立ちの巻
目的のない旅から西萩駅に帰ってきたチエとヒラメ。改札でマサルの母に会う。チエから話しを聞いているうちに、マサルが山で遭難しているのではと心配するマサルの母。その頃、慣れない登山で行き倒れるマサル。そこに山道に迷ったテツが転がり込み崖下に転落し、全員ノビてしまう。不安になったマサルの母はヒラメの母を巻き込んで香部駅へ行くことに。かくしてチエとヒラメはマサルの母らと共に再度、香部駅へと向かうのであった。
第5話 男の生還の巻
香部駅に着いたチエ達。駅員の話から、マサルとタカシもこの駅で降りたことを知らされる。ついで、坊主頭に黒シャツ、ゾウリ姿の凶悪そうな男がキップも出さずに駅を出たことを知らされ、マサルの母の心配は頂点に達する。山道を行くチエ達は、道でマサルのリュックを発見した。そして呼びかける声になぜか応えるテツの声。元登山部であるヒラメの母の活躍で全員崖下から無事救出。母親の愛情で踏みにじられたマサルの男のロマン。そこには、安心するマサルの母と悔し泣きするマサルの姿があった。
第6話 いきなりの秋の巻
季節は初秋、家の前に立つテツ。しかし何かいつもと違う様子のテツのセンチな言葉に小鉄もジュニアも脱力。そこに学校から帰ってきたチエ。タバコをふかすテツを見てビックリ。センチな言葉を発するテツに動揺を隠せない。そんなテツは大人になりかけの頃の昔話をチエに語り出す。毎日、駅でヤクザとケンカして強くなっていく自分の姿。その頃のヨシ江との恋愛を思い出し、頬を赤らめるテツ。そして、帰ってきたヨシ江の言葉にムードが無いとつぶやくのだった。
第7話 いきなりの秋―余波の巻
チエの周りでは風邪が流行り、ヒラメもマサルもクシャミが止まらない。一方、自分がセンチな気分になり、調子が悪くなったということは拳骨も調子が悪くなっていると勝手に思い込んだテツは、花井家に向かう。庭先で朝子に会い、拳骨が最近仕事の締切りで部屋から出てこないことを聞かされ喜ぶテツ。その直後、拳骨に後ろからゲタでどつかれてノビる。学校から帰ってきたチエ。風邪をひいて寝ているおバァを気遣い、「絶対安静」の張り紙を貼る。それを見たテツは、おバァもそろそろお迎えが来たかと喜ぶのだった。
第8話 餃子試食会①の巻
おバァが単に風邪をひいているだけだったことに少々がっかりのテツ。風邪予防にはお好み焼きと、勝手な解釈でお好み焼き屋に行くが、そこでは百合根まで風邪をひいている始末。下校途中、風邪をひいているヒラメに、栄養満点、ヨシ江作の餃子試食会にヒラメを誘うチエ。餃子試食会の話を聞き付け、中華料理店で働くカルメラ兄が、自作の餃子を持ってチエの家にやって来た。一人前に餃子が作れるようになり、その成果を皆に見てもらいたいと、やる気マンマンのカルメラ兄。餃子試食会の幕が切って落とされた。
第9話 餃子試食会②の巻
ヨシ江の帰りを待ち、開始されたカルメラ兄の餃子試食会。餃子は皆に評判でますます気合の入るカルメラ兄。好評の内、カルメラ兄が作った餃子は終了。カルメラ兄を気遣って、ヨシ江の餃子のことを触れない様にしていたチエとおバァ。まだ食べ足りないテツはヨシ江が作った餃子のことを思い出し、カルメラ兄にヨシ江の餃子を焼くように命令する。カルメラ兄はヨシ江の餃子を一口食べて「うまい!」と声を上げる。試食会が終わりヒラメと一緒に帰るとき、ヨシ江の餃子に負けたとつぶやく。今後に意欲を見せるカルメラ兄だった。
第10話 チエちゃんの読書の秋の巻
読書の秋、チエは図書館から昔話の本を借りてきて読んでいた。その内容は、ハミ出し者の男が米を作り、村人に出来あがった米を食べさせ好評を得るが、村娘の炊いた米の方が美味かった為に挫折する話だった。その内容に餃子試食会をダブらせたチエは、カルメラ兄のことが心配になる。百合根にカルメラ兄が中華料理店を辞めたことを聞き、さらに心配するチエとおバァ。そこにテツがカルメラ兄を連れてやって来た。ヨシ江に話があるという。結局、餃子の店を開店するためヨシ江に餃子の作り方を聞きに来たカルメラ兄。チエ達の心配は取り越し苦労だった。
第11話 ペットショップへ走る者の巻
学校から帰ってきたチエは店前のゴミ箱の中で騒ぐ猫の声を聞く。どうせ小鉄の仕業と無視して店の中へ。するとコケザルが待っていた。猫のオミヤゲを持ってきているという。ごみ箱の猫はなんと以前、テツとカブ勝負をした会長の猫、ジェラードだった。小鉄が見つけて助け出す。頭にヘコミが出来た為に捨てられたという。コケザルに拾われてペットショップに売られそうになったが、未遂に終わりチエの元へ。猫は、頭の同じ場所にヘコミがあるコケザルに親近感を抱いてなついてしまい、結局コケザルに飼われることに。
第12話 餃子試食会へランニングの巻
下校途中、ヒラメにプレゼントを渡すマサル。それは、夏の遭難騒ぎのお礼にとマサルの母が作ったケーキだった。ケーキの半分をチエに渡す様、母にいわれたヒラメはチエの家に向かう。途中、カルメラ兄の店の前を通って見ると、餃子の最終試食会があることを告げられるヒラメ。カルメラ兄のやる気をムダにしない様に美味しく食べるべく、餃子試食会を前に腹減らし目的でひょうたん池の周りを走るチエ達だった。