この日の早朝、タカシはマサルに呼ばれた。そこで突然マサルは催眠術をかけ始めるが、タカシはそうでなくても眠たかったので、つい寝てしまった。それで自信を持ったマサルは、今度はチエとヒラメにかけようとするが、徹夜で催眠術の練習していたおかげで自分が眠ってしまう。この時マサルが持っていた本で催眠術に興味を持ったチエは、テツで練習することを考え付く。さっそく家にいたテツを捕まえたチエは、天丼を賭けてテツに催眠術をかけ始める。すると横にいたヒラメが眠ってしまい起きなくなってしまった。

結局、催眠術にかかったヒラメは小鉄が洗面器をかぶせると直ってしまった。このことでチエは小鉄をいっそうかわいがるが、テツは賭けていた天丼をうやむやにされたので気分が悪い。そこへ通りがかったミツルの母、タカがテツを呼びとめ天丼をごちそうしてくれた。タカのとっておいたガラクタが高値で売れたという話を聞いたテツは、すかさすおバァの家の大掃除を始めると言い出した。

ガラクタが本気で金になると信じ込んでしまったテツは真面目に大掃除をしている。それを冷ややかに見るチエとおバァ。そしてチエは外で心配そうにガラクタの山を見守るミツルを見つけて話を聞くが、ミツルは逃げていった。それならとおバァはタカに事情を聞くとおバァは突然叫び出した。テツの嫌な思い出しかない昔のオモチャは、全部おバァが捨ててしまっていたのだ。かくして一銭にもならないガラクタの山の前で新年を迎えるテツだった。

ヒラメがチエに出した年賀状は雑誌の付録で作ったものだった。しかし付録にしては良く出来ていたのでもう一つ欲しいというヒラメをチエは古本屋に連れて行く。そこで二人は本を見つけて大喜びする客を見る。そして付録を手に入れた二人はカルメラのところに行く。するとさっき古本屋にいた男が今度はカルメラ弟にお礼を言っていた。早速チエはそのことを聞くが、カルメラ兄は答えない。そこでチエ達はもう一度古本屋に戻って調べると、キックボクサー時代のカルメラ兄が載った雑誌が出てきた。

チエがカルメラ兄の載った雑誌を見つけた時、その場にいたテツは早速カルメラ弟を呼びつけ話を聞く。しかし、テツがいきなりチャチャを入れて話が進まない。そこへおバァとチエが来て話は再開。カルメラ弟の話は、カルメラ兄との出会いからデビュー以来の快進撃、そして西日本新人王と続き、最後の全日本で減量に失敗して負ける所で終わったが、話を聞く態度の悪いテツにおバァが飛びかかり戦いが始まった。

テツはおバァにある問題を出されて三日悩んでいた。その問題とは、テツが誰にも迷惑をかけずにした「ええこと」を思い出すというもの。これは先日のカルメラ弟の話にチャチャを入れ続けた罰としておバァが考えた問題だった。しかし、時間切れになりおバァはテツの頭に風呂敷をかぶせて「反省房」に連れていった。そこはおバァの旧友ジャリ屋の玉ちゃんの倉庫。テツをしばらく入れておくつもりだったが、テツの味方のおジィが「ええこと」を発見してしまう……。

倉庫から出られたテツは、どうして出られたのかもどこに閉じ込められていたのかもさっぱりわからない。そこでヤクザのコートを奪って私立探偵の気分になって聞き込みを始めた。最初はテツに出した年賀状が一等で浮かれるミツルから年賀状のことを、百合根からはジャリ屋の玉ちゃんと堺の倉庫という情報を手に入れた。そしてテツはさっきのコートのヤクザを捕まえてジャリ屋の玉ちゃんの家を調べてくるように脅した。

テツは、先日、玉ちゃんの居場所を調べさせたヤクザが来るのを待っていた。チエは来るははずがないと言うが、ヤクザはちゃんと戻って来た。そしてテツがそのヤクザと一緒に行ってしまったので、チエはおバァに一応電話する。するとおバァは「走って生き埋め冬の油虫」と意味不明なことを言うので、チエの頭は混乱する。しかし、気を取り直してヒラメと遊ぶチエだが、今度はテツの顔を見に来た玉ちゃんにダンプで無理矢理連れていかれてしまう。

この日のチエは玉ちゃんのダンプに乗ったせいで、ずっと足元がフラフラ。おかげで見せ場の飛び箱でも頭からコケてしまう。もうおバァや玉ちゃんみたいな訳わからんモンと付き合う気が無くなったチエは、おバァが玉ちゃんから聞いた話も最初は相手にしていなかった。しかし、テツが玉ちゃんのところで住み込みで働くことになった話を聞いたときは、さすがのチエも目を回してしまった。

ヨシ江は帰ってこないテツを心配してチエに何か知らないか聞く。しかし、チエはテツが就職したと何度言ってもヨシ江は信用しない。遂にヨシ江もおかしくなったと思ったチエは、普通の少女になろうと決める。そこへテツからチエ宛ての手紙が来るが、普通の少女チエは見る気も起きない。それからも毎日テツからの手紙が届くが、最後に変な手紙が届く。ヨシ江はその最後の手紙にはドアホとかボケとかが書いてないのでおかしいと、テツの身を案じる。

チエ達は前日の夜、砂利山の上で放心状態になったテツを連れてくる。しかし、周の鍼でも拳骨の一喝でもテツは身動き一つしない。そこでチエは拳骨にテツの手紙を見せる。すると拳骨もおバァやヨシ江のような指摘をするので、チエはやっぱり皆普通じゃないと外へ出ていってしまう。そしてチエはヒラメとバッタリ出会う。ヒラメは自分が作ったカレンダーを持っていくところだった。そこでチエがカレンダーを貼ろうとすると、急にテツがカレンダーに反応した。

テツを放心状態にさせた張本人、玉ちゃんがチエの家にやって来た。そこで玉ちゃんはチエにおバァのナンマイダ蹴りの話を始めた。その蹴りは別名「二十年殺し」と呼ばれる飛び蹴りで玉ちゃんの亭主は蹴られてからちょうど二十年後にポックリ逝ってしまったと言う。テツはその話を真に受けて自分が二十年前のおバァの誕生日にその蹴りをもらったことを思い出してこうなってしまったのだ。そしてこの日がちょうど運命の日だった。