第1話 今年はええ年にするど!!の巻
テツは年が変わってから一日五回「今年はええ年にするど」と叫んでいた。しかしおジィにとってこの言葉は天丼をせびる口実にしか聞こえなかった。そんな中、猿騒動以降チエの奉仕猫と百合根の模範猫に徹していた小鉄とジュニアはこの日、鉄下駄を履いた猫に出会う。この猫が生意気だったが、小鉄はある考えもあって波風が立たないようにフナの塩漬けをふるまう。一方、チエとヒラメは今度の体力測定の話をしていた。そこでヒラメはどんどん落ち込んでいた。
第2話 垂直跳びの練習の巻
チエとヒラメはヒラメが特に不安な垂直飛びの練習を始めた。一方、鉄下駄猫にイヤな予感を感じたジュニアはひょうたん池まで様子を見に行く。すると鉄下駄猫が底冷えの季節に塩漬けを食べたせいで痔になって倒れていた。そこで鉄下駄猫に鉄下駄仲間の人間がいる事を聞いたジュニアはその鉄下駄人間にテツが絡むとロクなことがないと考え、小鉄の所へ急いだ。その頃、ヒラメはチエのコーチで少しずつ垂直飛びが上達していた。その様子を影で見ていたマサルは焦り始める。
第3話 鉄下駄のプレゼント(テツからヒラメへ)の巻
ヒラメはチエの全身のバネは下駄を履いて鍛えられたものだと考え、この日から下駄で練習することにした。小鉄とジュニアは鉄下駄猫を百合根の家にかくまって鉄下駄人間のことを聞いていた。その頃、テツはおジィが天丼をおごれなくなったので練習中のチエ達にかまい始めた。そこでテツはヒラメの下駄に気付く。理由を聞いて呆れたテツは、たまたま見つけた見知らぬ男の鉄下駄を盗み、それをヒラメにプレゼントしてしまった。
第4話 鉄下駄対金メダルシューズの巻
マサルは体力測定の秘密兵器を手に入れた自信から、授業中にヒラメを見てにやける。しかし、ヒラメもテツからもらった鉄下駄があるのでこの日はマサルと火花を散らす。放課後、ヒラメは早速鉄下駄を試すはじめはうまくいかなかった。チエ達の練習が終わった後で、マサルは自分の秘密兵器「金メダルシューズ」を試すが、厚底スポンジのこの靴にマサルは翻弄される。一方、鉄下駄猫「次郎丸」を捜す鉄下駄男「太郎丸」は、百合根が捨てた次郎丸の鉄下駄をお好み焼屋前の路上で見つけた……。
第5話 裸足の道場破りの巻
鉄下駄を見つけて百合根の家を訪れた太郎丸だが、次郎丸はいなかった。そこで太郎丸は町道場の場所を聞いて百合根の家を後にする。その後、百合根はチエの家に行き、チエに事の顛末を話す。その頃、おバァの家に近所で空手道場をひらく伝さんの生徒が駆け込んで来た。おバァはテツを連れて道場へ行くと、伝さんが涙を見せて迎えた。伝さん曰く、男に道場破りにあって、つい名誉師範としておバァの名前を出してしまったと言う。その頃、太郎丸は自分の鉄下駄を履いて練習するヒラメの様子を見ていた……。
第6話 震源地はチエの家の巻
チエはヒラメが使っている鉄下駄はテツが盗んだ物に間違いないと思い、ヒラメに鉄下駄は使わないほうがいいと伝えた。するとヒラメも“鉄下駄の先生”にそう言われたと言うので、チエはヒラメにその先生の似顔絵を書いてもらうことに。チエは百合根や伝さんに似顔絵を見せた。鉄下駄猫と鉄下駄男と道場破りの線が一本に繋がり、百合根は全部チエの一家の問題と騒ぎ出す。一方、周の鍼で痔を治した次郎丸は小鉄やジュニアとチエの家に向かう。そこへ太郎丸が来た……。
第7話 サビた体に千本針の巻
おバァは昨日盗まれた下駄のことで来たはずの太郎丸が、自分を見るなり土下座して試合を申し込んだマジメさが気になっていた。一度は逃げようと思ったが考え直して本気で試合の臨むことに。しかし、おバァの練習を見たテツは今回の試合の賭けを組み、太郎丸に賭けようとしていたので焦る。明日の体力測定の仕上げにとランニングするチエとヒラメに付き合っておバァも走り出す。しかし、急な練習がたたって途中で動けなくなってしまう。チエはおバァを周の所へ連れて行くことにした。
第8話 体力測定の朝の巻
いよいよ体力測定当日。マサルは金メダルシューズでまともに歩けなかった。チエは今晩のおバァの試合が気になって調子がいまいち。そして校門の前には太郎丸が次郎丸を連れてヒラメを励ますために立っていた。ヒラメを励ました後、太郎丸は太ってしまった次郎丸にヒラメの勇姿を見るように告げると一人で行ってしまった。こうしてチエ達の体力測定が始まり、最初の50メートル走でいきなりマサルが金メダルシューズの一人相撲をとっていた。
第9話 体力測定の午後の巻
ジャンプ力を増すために買ったマサルの金メダルシューズは、弾みすぎて垂直飛び以外には全く向いていなかった。おかげでマサルは珍プレーを連発していた。そんなマサルとは対照的にチエとヒラメは順調に各種目をこなしていった。そして最後の種目の垂直飛びになり、やっと見せ場が訪れたマサル。チエと太郎丸、そしてテツのために頑張ろうと誓うヒラメ。この時すでに頭がおバァの試合になっていたチエ……それぞれ三者三様の思いで飛ぼうとしていた。
第10話 空手道場の夜の巻
おバァの試合がもうすぐ始まろうとしていた。チエはもしものことを考えて、丸太ン棒を持って家を出た。そのチエと入れ違いにヒラメがチエの家に来た。ヒラメは太郎丸に鉄下駄をあげようと思って一応テツに相談しに来たのだが、テツもチエもいなかった。ヒラメは帰ろうとしたとき、百合根と会った。ヒラメはチエの家に行った理由を聞かれ、鉄下駄のことを話す。すると百合根は皆が集まっている道場へヒラメを誘った。その頃、道場では試合の開始が告げられようとしていた。
第11話 鉄下駄のプレゼント(ヒラメから太郎丸へ)の巻
「始め」の声がかかったが、おバァと太郎丸は動かない。お互いに隙がないのだ。そんな心理戦がわからないテツは横ではやし立てる。それに腹を立てたおバァ。太郎丸にテツが鉄下駄泥棒だと教えてスッキリする。それを聞いた太郎丸はテツへの怒りが込み上げ、頭は混乱状態に……。やがて試合が再開。しかし、その後の試合は荒れ、巻き添えを食ったテツが遂に試合に介入、そこへ小鉄が棒を投げてテツはノビてしまう。その直後にヒラメがテツに駆け寄り試合は水入りとなってしまった……。
第12話 真夜中の反省会
チエは今回の騒動の原因を作ったテツに反省文を書かせ、書き終わるまで一歩も外へ出さないようにした。怒るチエに対してテツは余裕の表情。そこへ鍼で試合の疲れを癒したおバァが周を連れて来てチエを食事に誘うが、チエはここで行ってしまうとテツが逃げると思い、おバァと周もつき合わせる。テツのはぐらかしに、帰ってきたヨシ江までも巻き込まれて……。こうして反省文なんか書く気のないテツのペースで、時間だけがむなしく過ぎていくのだった。