コミックス資料館

38巻イメージ

第38巻 <もくじ>

一人ぼっちでビビビビビの巻
感電数珠つなぎの巻
電気クラゲは停電中の巻
講談師テツの巻
スイッチONの巻
ヒラメ一家で首実験の巻
みんなで画廊にの巻
黙ってにらめばピカリと光るの巻
マジメメガネで変装の巻
福笑いテツの巻
関門突破の巻
テツの復元の巻
勝ちある勝利は本当に重いの巻
前巻コミックス一覧へ 次巻
第1話 一人ぼっちでビビビビビ…の巻
テツは何か深刻そうな表情。「人生に悩んでるねん」の言葉にチエの返事は「あっ、そう」。一人ぼっちで考え事しているテツにミツルが声を掛ける。テツは交番の個室に押しかけることにした。先客がいる、とミツルは阻止したのにかかわらず……。そこで寝ていたのはツレない表情の男性。テツにはよ帰れと言われて、悩みだす。やがて、電球を外したソケットに指を突っ込んで自分の体に電気を流したのだ。感電しながら止めるテツ。聞くと昨日バクチで全財産をスッて生きる望みがないという。大好きな言葉を聞いたテツは、体に電流が走った。
第2話 感電数珠つなぎの巻
朝が来た。テツとサエない男“電気クラゲ”はなぜか百合根の家に泊まっていたのだ。変に張り切って表に出るテツ。百合根と二人で話す電気クラゲは突然二階の窓から飛び降りて、表にいたテツと激突したのだった。二度も死ぬ目に会いゴネるテツだったが、男の様子はどこか変。記憶が部分的に途切れている様子だ。バクチでスッたはずの全財産が入った鞄を探し出す。百合根はややこしい男の登場でうんざり。電気のブレーカーを落として重い気持ちでチエの店に逃げるのだった。
第3話 電気クラゲは停電中の巻
チエは騒動の原因はミツルとばかりに、騒動の責任をとってほしいと言い出す。ミツルはお好み焼屋へ行くが、店の中にはだれもいない。二階でなにか物音が聞こえて、呼ばれるので上がると、そこには飛び降りようとする電気クラゲと、止めようとするテツ達がいた。事情を聞こうとするミツルだが、テツは適当にはぐらかす。電気クラゲが財産をスッた賭場を自分で聞き出したいからだ。その頃、ヒラメはチエに一通のハガキを見せる。画家、野見山の展覧会が開かれるので一緒に行こうというのだ。
第4話 講談師テツの巻
チエはヨシ江と二人で野見山の展覧会に行くことにした。芸術少女として生きる決意をして、飛行機騒動のときに鍋を被ったような大人とは付き合いたくないという。そのとき鍋を被った百合根が登場。百合根はなげやりに「今日から関東煮屋やねん」とつぶやく。家に帰るとみんなが揃っていた。テツは電気クラゲから聞き出したこれまでの過程を語りだす。馬を売却した帰り道、バーで見知らぬ男に声を掛けられて賭場に。そこでイカサマをされて財産をスッた、という話をチエは適当に聞いていた。
第5話 スイッチONの巻
飛行機騒動以来、みんなに迷惑を掛けないように旅に出ていた小鉄とジュニアが帰ってきた。ジュニアは家に戻るなり「関東煮」の文字が書かれた店の看板を持ち出して小鉄に見せた。いつの間にかお好み焼屋が関東煮屋に変わって繁盛していた。関東煮を作っているのは電気クラゲ。小鉄は異次元に迷い込んだのでは、と思わす真剣考えてしまうのだ。拳骨が野見山の展覧会の案内をもって百合根のところに来た。案内の絵を見た電気クラゲは何かを思い出したような表情を見せるのだ。テツはそれを見逃さなかった。
第6話 ヒラメ一家で首実験の巻
ヒラメは野見山の展覧会にチエと一緒にいくことになった。チエは周辺の騒動にうんざりしていたので期待いっぱい。一方、テツはヒラメの顔に電気クラゲの記憶を戻すヒントがあると思い、ひょうたん池にヒラメを呼び出すことにした。ヒラメの顔を見ても電気クラゲの反応はない。テツはさらに同じ顔の丸太とヒラメの母親まで呼ぶ。しかしそれでも駄目。電気クラゲがバクチでスッた場所は聞き出せずにテツのイライラは募る。そのときテツは電気クラゲにいくらスッたか聞き出した。男はなんと二千万円と答えたのだった。
第7話 みんなで画廊にの巻
野見山の展覧会に行く当日。チエとヒラメ、そして二人の母親は西萩駅にいた。落ち着いて芸術鑑賞をしたいチエ。今日だけはテツに会いたくないと願うのだったが……。その頃、お好み焼屋では電気クラゲがイカサマをされた相手についての話題におよんでいた。どうやらその相手はヤクザだという。聞いた瞬間テツ泣いて喜ぶテツ。勇んで展覧会の会場に向かおうとしたとき、拳骨が登場。一緒に行こうと誘いにきたのだ。結局、展覧会の会場でチエとテツはバッタリ会ってしまう。イヤな予感が的中して嘆くチエだった。
第8話 黙ってにらめばピカリと光るの巻
拳骨はテツ達を連れてきた責任を感じていた。チエの白い目に困惑する。沈黙してテーブルに座っていると野見山が三人を見てみろ、と一喝する。その三人、テツ、百合根、電気クラゲは絵を凝視していた。もちろん芸術鑑賞という名目ではなく、電気クラゲの記憶を呼び戻すためだ。チエたちが帰ろうとした矢先、周がやってきた。周の顔を見た電気クラゲの体にスイッチが入る……何か思い出したのだ。さらに周をモデルの絵を野見山からみせられた電気クラゲ。賭場のマンションにあった絵と同じものと分かる。場所も判明して、テツは大喜び。
第9話 マジメメガネで変装の巻
チエもマジメな市民、電気クラゲの復讐に協力することになった。テツと二人で変装に使うメガネを選んでいた。家にあるのはヤクザから巻き上げたガラの悪いサングラスばかり。チエは拳骨のメガネを借りることを思いつく。お好み焼屋では百合根と電気クラゲが浮かぬ顔をしていた。賭場のマンションに入るためには、まず入口のカメラで顔のチェックをされるらしいのだ。ヤクザに顔が知れ渡っているテツには難しい関門。そのときおバァが来た。変装の話を聞いて、それならテツに“ズンベラボウ”になってもらおう、と言いだす。
第10話 福笑いテツの巻
おバァに“ズンベラボウ”にされた……つまり眉毛とヒゲを剃られたテツは、マフラーで顔を隠していた。おバァがチエの水彩の道具を持って登場。気弱な男に見える様に、眉毛を描き始めたのだ。何度もやり直しをされながらも、バクチのためならと、従うテツ。やがて百合根と電気クラゲが迎えに来た。百合根が戸を開けるとたれた眉毛の“世界一の根性なし”顔のテツがいた。百合根と二人でメガネをつけて、変装は完了。いよいよ電気クラゲが金を巻き上げられた賭場へむかう。
第11話 関門突破の巻
賭場のあるマンションに着いた。入口のインターホンで部屋のヤクザと連絡を取る電気クラゲ。ヤクザはカモの再訪を喜んで迎える。テツと百合根も通してもらえることに。賭場は“インテリ向け”を売りにしており怪しさいっぱい。部屋の中でカブを始める三人。親がトランプを切る間、テツは机の下に潜り相手を動揺させる。不審な人物の登場に会長が直々に接客。テツは勧められたおしぼりで顔を拭く。描いた眉毛が消えてしまうが、もう中に入ったからええやないか、と開き直るのだった。
第12話 テツの復元の巻
とうとう、本性を表したテツ。いつものガラの悪さ丸だしでカブに興じる。絵心のある会長が手下にスケッチブックを持ってくるよう命じ、おもむろに似顔絵を書き始める。その絵に眉毛を書き加えると見覚えのある顔が出てきた。会長はテツの出現に大慌て。夜逃げの用意を始めるが事務所にテツが来て、時はすでに遅し……。会長を脅して眉とヒゲを書かせて本来の姿に戻ったテツと、店の酒を勝手に呑んで自宅の権利書を賭ける百合根。二千万円を取り戻すべく、壮絶なカブ勝負が始まった。
第13話 価値ある勝利は本当に重いの巻
テツたちが家を出て、すでに三日目。おバァにはゲンコツで脅しているのではなく、まともにカブで勝負をつけていることが分かっていた。やがて電気クラゲが包みを抱えて帰ってきた。彼を待っていたおバァはさっそく話を聞くことに。電気クラゲがコタツの上で包みを開けると、中身はなんと二千万円の札束だった。意外な中身に我を失うおバァ。電気クラゲは二千万円を取り戻すまでの大荒れの過程を語り始めた。