第1話 春を見つけようの巻
季節はすっかり春。小鉄はチエと釣りにいくことに。張り切って道具を準備してチエの帰宅を待っていた。そのときジュニアが登場。春の恒例行事、ノイローゼの最中のジュニアは小鉄に絡み、ひょうたん池へ一人で向かう。やがて下校の時間。チエとヒラメは先生から言われた「春を見つけよう」という言葉に大はしゃぎ。図書館で魚の生態を見つけてから釣りに行こうと、小鉄よりヒラメを優先した。チエの気まぐれに小鉄はがっくり……。その時、小鉄の前にリュックを背負った怪しい猫が通りすぎる。これも春のせいかと思う小鉄だった。
第2話 動くアントニオの巻
ひょうたん池で自問をつづけるジュニア。その横に怪しい猫が座る。話を聞いてやるなどと、ピントのずれたことを言い出しジュニアはこける。その頃、百合根が大慌てでチエに所へ向かう。猫の話になると我を忘れる百合根に、チエは最初から呆れっぱなし。しかし、「アントニオがバンザイをしている」との言葉に思わず反応してしまった。以降、何者かの手で、逆立ちをしたりコアラのポーズをさせられて百合根は激怒。ノイローゼのジュニアのいらずらだと思いこむのだった。
第3話 ノイローゼの親玉の巻
みんなで行方不明のジュニアを探すことになった。その頃、小学校の裏に組まれた怪しいテントからジュニアが出てきた。結局ジュニアはテントの中で謎の猫の身の内話を散々聞かされていた。それでも猫はジュニアに要らぬお節介を掛ける。さらに猫はアントニオのハク製にも気にかけていることをほのめかす。うんざりしたジュニアはお好み焼屋に戻ったが、怒り心頭の百合根たちに追われて再びテントに戻ってきた。アントニオにいたずらをした者への心当たりを伺うジュニア。すると猫は「悪太郎」の名前を言い出した。
第4話 犯人は誰だの巻
悪猫「悪太郎」を追いかけているらしい謎の猫。今回の事件のカタは自分で付けたいといいだし猫は消えた。ジュニアはテントの留守を預かる間、猫のリュックからスコップを見つけた。一方チエたちはふたたびジュニアの捜索に向かうところ。百合根もいまだ一人でくさっている最中。そんなとき小鉄は小学校でテントを見つけて、中に隠れていたジュニアを発見した。ジュニアは謎の猫、正太郎の不出来な弟「悪太郎」の存在を小鉄に伝えた。小鉄は以前、家の前でみた奇妙な白猫が兄の「正太郎」であることに気付いた。
第5話 踏んだり蹴ったりのアントニオの巻
百合根はようやく、アントニオいじりの犯人がジュニアでない事にようやく気付いた。テツは百合根の様子を見に行くが、百合根はすでに一升を越えていた。テツは騒動の元になったアントニオをいじっている内、百合根に犯人として捕まえられてしまう。百合根こんな物騒なところにアントニオを置いてはいられないと、質屋に無理矢理預ける。しかし、こんどは質屋でアントニオの目玉が盗まれてしまったのだ。
第6話 ひょうたん池の春雨の巻
百合根の大切なアントニオを傷つけた質屋のオヤジが、なぜかテツの家でカリン糖の詰め合わせを持って立っていた。質屋はテツへ詫びを百合根から頼まれただけの役割だった。同封の手紙には「旅にでる」との言葉が。逃げられてはたまらないとテツは大急ぎでお好み焼屋へむかう。しかし、既に百合根はいない。同行したチエはアントニオのハク製の所にも手紙があるのに気付く。アントニオを預かって欲しいという依頼の文面だ。チエが預かったあと、不審な黒猫が登場。なんとチエの頭上にオシッコをかけだした。
第7話 悪太郎はどこだの巻
チエたちの目標はオシッコをかけた黒猫を捕まえることになった。一方、正太郎も次々と悪事を働く悪太郎の行方を探していた。血を分けた兄弟を葬らなければならない嘆きをつぶやく正太郎。その時、悪太郎の声とともに水面に姿が……。正太郎は池に飛び込む。しばらく後、ひょうたん池に着いた小鉄とジュニアが見かけたのは池から飛び出す悪太郎だった。おバァはチエの家で鰹節で黒猫をおびきだそうとしていた。はたして、悪太郎は現れたが、おバァにもオシッコをかけてアントニオを奪っていった。
第8話 ひょうたん池 黒猫退治の巻
正太郎のテントでは小鉄とジュニアがいた。愚弟の悪行を止められず、自分を責める正太郎。小鉄は悪太郎の特徴や過去の悪事を聞き出す。一方、被害を受けたチエ達はひょうたん池をシラミつぶしに探すことに。やがて、テツが黒猫をさっそく捕まえたが、悪太郎ではなく善良な顔をした別の猫。しかし、以後、みんな悪太郎と間違えてイライラをつのらせてしまう。小鉄が問いただしたところ、この猫は悪太郎の正体を知っており、小鉄に事実を伝えようとしていたのだ。猫は、なんと悪太郎はもうこの世にいないと言い出した。
第9話 黒猫・悪太郎の思い出の巻
チエの店を外から覗く百合根。おバァとチエのイライラはアントニオを預けて雲隠れしたせいだと誤解する。おバァは外の不審な動きに気づき、丸太ン棒をひと振り。百合根に激突する。アントニオが奪われたことを知られたくないチエ達は百合根に酒を呑ませてごまかすことに。そこへテツが登場し、バラしてしまったから百合根は大暴れ。一方小鉄は、善良な黒猫、三助から過去の出来事を聞いていた。それは、悪太郎と正太郎は名前を交換していたこと。二匹とも黒猫だったこと。正太郎は毛が乾くと白くなるということだった。
第10話 悩める正太郎の巻
小鉄は三助から聞いた悪太郎の過去をずっと考えていた。悪太郎にまつわる謎は複雑に絡んだまま。やがて正太郎はいったい何者なのだという疑問に至る。小鉄はコップを片手にテントに行き、寝ている正太郎のシッポに水をかけた……。一方、ひょうたん池にいたジュニアは木にくくられた紐を見つける。紐の先端は池の中に沈んでいた。ジュニアが引っ張り上げたところ、なんとアントニオが出てきた。
第11話 風の中のアントニオの巻
ボロボロになったアントニオと再会した百合根は号泣していた。ジュニアは更なる復讐の思いで再び悪太郎を探しだした。やがてテツとカルメラ兄弟が百合根の店に登場。百合根はテツを泣いて向かえる。ハク製屋までアントニオのボディーガードとして付いてきてほしいというのだ。天丼十杯の条件で引き受けるテツ。しかしその途中、またしても悪太郎が登場。百合根とテツの頭上に石を落として、百合根が抱えていた荷物を奪ってしまった。しかし、百合根は周到にもアントニオを着物の袂に隠していた。ジュニアはついに意を決してアントニオを抱えてひょうたん池に向かった。悪太郎を誘い出すために……。
第12話 ひょうたん池 猫猫合戦の巻
ジュニアは、アントニオを目に付くところにぶら下げて悪太郎が来るのを待っていた。その頃、テントにいた正太郎は悪太郎を自らの手で始末しようと、ひょうたん池へ発つ。正太郎の行動を見守る小鉄も同行した。ひょうたん池についた正太郎は池の中で悪太郎の姿をまたもや見かけて飛び込む。しばらく後、池から出てきたのは悪太郎……。正体をおおよそ知っていた小鉄は陰から一連の展開を眺めていた。今捕まえてもジュニアには説明のしようがないからだ。やがて、悪太郎はアントニオの前に現れる。ジュニアとの戦いが始まった。
第13話 私の中の私の巻
三助の一撃でノビた悪太郎。しかし、三助が言うには悪太郎はこんな猫ではないという。勝負はなかなかつかないが、小鉄はなんとかジュニアに時間を稼いでもらいたいと考えていた。やがて、様子が代わって自問自答を始める悪太郎……。毛が乾き始めたのだ。小鉄はレフリーストップを言い出すが、それでも怒りがおさまらないジュニアは頭突きで悪太郎を池の中へ落としてしまう。ラチが明かない展開に小鉄も池の中へ飛び込み、“とどめ”をさすことに……。