第1話 「春に向かってスッキリと…」の巻
三学期の終業式。マサルは六年生になったらどうすると不安でいっぱい。一方のチエ、ヒラメは待望の春休みとニコニコの笑顔。チエは春らしくスッキリとしたいと思い、伸びた髪を切ることにした。ハサミを入れたとき、鏡にノイローゼのジュニアがひょっこり登場。驚いたチエは前髪をバッサリと切ってしまう。修正しようと再びハサミを入れるが、今度は通知簿を隠していると思ったテツが驚かして、髪は取り返しのつかない短さに切れてしまった……。唯一の頼みの綱、ヨシ江に整えてもらい、ドングリのような頭になったのだ。
第2話 「いつもと違う春休み」の巻
鏡を見て「あんた誰や」と自問するチエ。仕方なく開き直ることにした。戸を開けるとさっそくそこにはタカシが……。慌てて逃げるタカシだった。方々に顔をだし平静を装うが、チエの頭を見た者はみんなビックリ。一方、タカシの報告を聞いたマサルは深刻になる。チエが変わるということはきっとみんな六年生になる、と絶望するのだった。おジィとおバァが店の材料を運んできた。おバァはチエをみるなり思わずオジィに「見たらあきまへん」と叫びだす。おジィは持っていた箱を足の上に落として大騒動に。
第3話 「春休みの迷宮」の巻
春休みも残すところあと一日、チエとヒラメは文房具でノートを買った帰りにお好み焼屋に寄った。しかし、百合根は最初チエと気付かず。やがて、チエは自ら名乗って知らせる。その驚きで椅子から落ちたジュニアはノイローゼから回復する。チエは感謝されるが、いっそう不機嫌に……。そのあとチエは慌てたタカシ会う。マサルはチエの髪の話を聞いてチエの家まで見に行ったが、そこでテツに捕まってしまう。
第4話 「なぜか静かな日々」の巻
二ヶ月が過ぎて、チエの髪はすっかり元に戻った。それを見て夢かと疑うテツ、ヤクザをどついて気合いを入れていこうとするが、街は妙に静かテツの気合いは空回り。その頃、おバァも街の静かさを感じていた。いつも騒動が起こってもおかしくないこの街なのに……。その夜、店に常連客が団体を連れてきた。忙しさで笑顔がこぼれるチエ。その時、チエの店には珍しいタイプの物静かな男性が来た。店のうるささに困惑していたチエをみて、店を静かにさせようと申し出る。男は団体客をみんなノバしてしまったのだ。
第5話 「静かな街には理由がある」の巻
チエは昨晩店で起こった出来事をテツには内緒にしていた。しかし、こういう事には勘が働くテツ。ノビていた男達の顔にゲンコツの跡があることに気付いていたのだ。チエはおバァの家を訪ねて、昨晩の経過を伝えた。おバァは世の中を静かにさせているのはその男なのでは、と思うのだが……。テツは退屈そうに過ごしていた。夜になり、男、山際は地獄組の子分といた。挑発的な言葉をいうテツを見つけた山際は怒りに燃えるが、子分がなだめいていた。
第6話 「商売上がったりの店」の巻
お好み焼屋に地獄組のボスが現れた。ボスはお好み焼屋をテツから救いにきたというが……。一方、チエの家にはボスに内緒で子分が来ていた。子分は刺客がくることを伝えようとしたが、もう店を訪ねていることを知り愕然とする。カルメラ亭ではテツがチエの店の常連客と会う。そこでテツはチエが隠していた男の存在を知るのだった。刺激的な話に俄然燃えるテツ。しかしその夜、常連客が闇討ちに遭ってガード下でノビでいるテツを見つけた。
第7話 「フトンの中の福笑い」の巻
テツは布団の中で唸っていた。おバァがテツの顔を見ようとしても布団にしがみついて離れない。しつこさについに顔を上げたテツを見て、おバァは驚く……。その頃、チエとヨシ江は買い物に行っていた。地獄組の子分がチエを呼び止めて、テツをノバした犯人は先日チエの店で暴れた人物であることを打ち明ける。地獄組のボスはその男、山際を気に入り用心棒として雇っていたのだ。子分はチエとテツの関係を知らない山際がチエの店にくるかもしれないという。チエは看病をしながら山際からテツを守ることを決意する。
第8話 「フトンの中の探偵」の巻
おバァから話を聞いたミツルがテツを訪ねてきた。テツは警察の者が犯人ではないか、と推理して内部犯行の線で調べろとミツルに言う。ノビたテツが言われた言葉を根拠に、犯人はヤクザではないというのだ。その頃、地獄組のボスと子分は山際と縁を切る方法を考えていた。再びお好み焼屋に用心棒として山際を売り込んだが、百合根に断られる。ボスはこのときテツがボコボコにやられて寝込んでいることを漏らしてしまう。百合根はミツルに詳細を聞くが、ミツルもボスが知っていることを不審に思うのだった。
第9話 「仇討・貸切チエちゃん」の巻
学校帰りに犯人の山際から店に行くと言われたチエは大急ぎで家に戻る。山際とテツが顔を合わせても、満身創痍のテツには絶対勝ち目がない。チエはテツには内緒で山際が来たときの対応を小鉄とジュニアに指示する。一方、以前より心当たりがあったミツルは、あの人物が山際が暴力事件で免職になった“山際刑事”であることを思い出す。その晩、チエの店にいよいよ山際がきた。チエは座敷から聞こえる声をごまかしながら、一升瓶で山際をどついて捕まえてしまう。
第10話 「テツの全快祝い」の巻
テツが復活。さっそくミツルに犯人の行方を問うがミツルは知らないと否定する。実は山際はお好み焼屋の二階で拘束されていることを知っているのだが、口を割らないだけ。テツの鋭い勘に焦るミツルとチエ。その頃、地獄組のボスと子分はお好み焼屋でどつかれていた。山際の行方を尋ねたからだ。しかし、チエからお好み焼屋の二階で監禁されていると聞き、ひっくり返る。テツとの関係を気付かれない術を考えたあげく「裁判」をすることにした。
第11話 「有料公開裁判」の巻
チエの店に「有料公開裁判」という張り紙が貼られている。被告人は元刑事の山際、裁判長はテツ、入場料は五千円……おととい地獄組のボスが張り紙を持ってチエの店に現れた。ボスは事件の真相をごまかしながら、テツをのせることに成功。テツは犯人もボスもどつくことができないかわりに、入場料でボロ儲けできるからだ。裁判の当日、会場のお好み焼屋には山際に恨みを持つヤクザがぞろぞろ集まってきた。いよいよテツ裁判長による裁判の開廷だ……。