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撮影/山口宏之

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デビュー15周年、
文庫『告白』300万部突破に寄せて湊かなえ

2007年に短編「聖職者」で小説推理新人賞を受賞し、08年、それを第1章とした長編『告白』でデビューして、早くも15年経とうとしています。

その間、おもにサイン会を通じて多くの読者の方にお会いすることができました。
「中学生の時に『告白』を読み、教師になって再読したら、作品の見え方がまったく違いました」といった、自分の年齢に合わせて心を寄せる視点人物が変わり、新たな読後感を得た、という感想をよくいただくようになりました。
刊行当初は親子で来てくださった方の大半が「子どもに勧められて『告白』を読みました」とおっしゃっていたのに、近年は「親に勧められて読みました」という方の方が多くなりました。
15年という年月は、子どもから大人になり、次の世代につなぐことができる期間だということを実感し、そのような長い時間、『告白』が愛され続けたことに心より感謝しています。
しかし、この作品はまだまだ次の世代につなげるポテンシャルを持つ作品だと信じています。

できれば10代のあいだに読んでほしい。
一度読んだ方にも、これから読む大人の方にも、再読して、ご自身の成長や変化のバロメーターにしてほしい。

誰かの人生に寄り添える一冊になるために、再出発が始まります。

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PROFILE/ プロフィール

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湊かなえ

1973年、広島県生まれ。2005年、第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選。07年、第35回創作ラジオドラマ大賞受賞。同年「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞。08年同作品を収録した『告白』でデビューし、「2008年週刊文春ミステリーベスト10」第1位、09年本屋大賞を受賞。また14年には、アメリカ「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙のミステリーベスト10に、15年には全米図書館協会アレックス賞に選ばれた。12年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。16年『ユートピア』で山本周五郎賞を受賞。18年『贖罪』がエドガー賞(ペーパーバック・オリジナル部門)にノミネートされた。近刊に『未来』『ドキュメント』『残照の頂 続・山女日記』『湊かなえのことば結び』などがある。