結婚直後の妊娠と夫の転勤。その頃から夫は別人のように冷たくなった。
彼からの暴言にも耐え、息子を育ててきたが、ついに暴力をふるわれた。
そして今、自宅マンションの浴室で夫が倒れている。
夫は死んだ、死んでいる。私が殺したのだ。
もうそろそろ息子の翔が幼稚園から帰ってくるというのに…。
途方に暮れていたところ、2週間前に近所でばったり会った
大学時代のサークルの後輩・桂凍朗が訪ねてきた。
「量子さん、問題が起きていますよね? 中に入れてください」と。






-
2025/10/22
伊坂幸太郎『さよならジャバウォック』スペシャルムービー公開
-
2025/10/22
著者インタビューを公開!
-
2025/10/17
試し読みを公開!
1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、「死神の精度」で日本推理作家協会賞(短編部門)、08年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞と第21回山本周五郎賞を受賞。14年『マリアビートル』で大学読書人大賞、20年『逆ソクラテス』で第33回柴田錬三郞賞を受賞。
終盤のクライマックスに至って「この物語の正体」に気づかされたとき、文字どおり驚きの声を上げた。ここまでの驚きを味わうのは久しぶりだった。一瞬にして世界が変貌し、すべての疑問が氷解する。──これぞミステリーの(あえて「本格ミステリーの」とも云ってみよう)、最高の醍醐味である。