第1話 そんなふうな秋の巻
「……秋はややこしいなあ」。学校から帰る途中、しんみりつぶやくチエ。どうも“芸術の秋”や“読書の秋”といった“○○の秋”を実践したいようだが、マサルにチャチャを入れられて考えがまとまらない。そんな中、家に帰ると小鉄がノコギリを手に店のテーブルを切ろうとしていた。チエは「自分が猫やゆうの忘れたらあかん」と説教を始める。しかし実際は、テツの下手な切り口を直そうとしていたため、小鉄はすっかりスネてしまう。
第2話 アントニオJr.マフラーとったらアントニオの巻
「猫らしくせい」とチエに言われた小鉄。ジュニアにまで「猫は猫らしく」などと言ってしまっていたが、チエに呆れられたため元に戻ることに。しかし、小鉄の発言を真に受けたジュニアは、いちゃもんを付けられないようにとトレードマークのマフラーを外してしまう。そんなジュニアを見た通りすがりの猫が、アントニオと勘違いして声をかけてきた。一方、小鉄がただの猫になったと思いこんだテツは、小鉄に復讐しようと計画しはじめるのだった。
第3話 堅気屋の逆さ三日月の巻
ジュニアのことをすっかりアントニオだと思いこんでいる猫の泥吉(通称“オッさん”)。ハク製となったアントニオを見せようと家まで連れてきたジュニアだが、あいにくアントニオは百合根がクリーニングに出すべく持ち出していた。一方、小鉄をこらしめたいテツは、ガラの悪そうな猫の集団を発見。彼らを使って小鉄を襲わせようとするが、実はその集団は泥吉を探す組織の者達だったのだ。
第4話 堅気屋襲撃の巻
組織の猫を率いて、テツは小鉄達がいるするお好み焼屋へとやって来た。しかし、組織の猫たちは怒鳴り込むテツを殴って気絶させ、一気に襲撃をかける。一方、いまだにジュニアをノイローゼだと思いこむ百合根は泥酔状態のまま店に戻ってきた。そこへテツを探し回るチエとおバァが合流し、3人で店をのぞき込むと、そこには組織の猫たちを相手に大立ち回りを繰り広げるジュニアの姿があった……。
第5話 少女小説家 竹本チエの巻
「たまには本を読め」とばかりに、風邪を引いているマサルからノンフィクション小説を強引に渡されたチエ。気分直しにお好み焼を食べに行けば、百合根から聞かされるのはジュニアのグチばかり。あまりにムシャクシャしてしまったため、今日は自分のことだけに時間を使おうと、なぜか小説を書くことに。しかし『少女竹本チエ物語』を書こうとしても落ち込むだけなので、前回のジュニアによる大騒動の後日談を書き始めたのだが……。
第6話 落とした財布は聞くのもこわいの巻
今日も店の売り上げ計算に余念がないチエ。邪魔者を追い払うよう、小鉄を見張り役にしてせっせとソロバンを弾いている。計算を終え、早速銀行へ入金に行くが、そこで重大なことに気付く。財布がないのだ! ポケットに穴が空いており、どこかで落としてしまったようだが見つからない。途方に暮れつつもおバァに報告に行ったところにテツがやって来るが、何の解決にもならない。実はその財布、案の定拾った人間がいて……。
第7話 拾った財布なおこわいの巻
チエが財布をなくしたと聞き、あまりのショックで寝込んでしまったテツが目覚めると、そこには暗い顔でコタツに集うおジィ、おバァ、チエの面々がいた。そんなチエたちを後目に、テツは血眼になって財布を拾った人間を捜し始める。そんな中、財布を拾ったヤクザ二人組にもまた、暗いムードが漂っていた。金を使い込むなんて論外、返したところでテツに因縁をつけられるのではと考えた二人は、ミツルに届けようと派出所を訪れる。
第8話 ウナギ弁当の食べ方の巻
財布を拾ったヤクザ二人組に襲いかかったテツだが、チエやおバァにきつく止められたため不満顔。再び二人組を探しに外へと飛び出していく。そんなテツと入れ違いにおバァが店へとやって来て、財布を探してくれた面々を呼んでホルモンパーティをしようと提案、早速準備を始める。一方、派出所にかくまってもらっていたヤクザ二人組。ミツルにガードされながら駅へと向かうが、通りがかったテツを見つけて逃げ出してしまう。
第9話 テツに来た手紙?の巻
チエが学校から帰ってくると、相変わらずテツがなにやら変な行動をとっている。尋ねてみると、今しがた届けられた郵便物に爆弾が仕掛けてあるようだとテツは言い張る。嫌がる小鉄に無理矢理開封させると、そこには1本のカセットテープが入っていた。竹本家にはテープレコーダーがないため、ヒラメの兄、丸太に借りることに。早速届いたカセットテープを聞いてみると、そこには意外な人物からのメッセージが入っていた……。
第10話 正月にカセットがやって来るの巻
テツの元に届いたテープの声の主は、オカマバーで働いているレイモンド飛田の弟だった! 色っぽい(?)声で兄のことや近況報告などを語るテープは次々と竹本家へ届き、チエはおもしろがって大事にとっておく始末。しかも、正月には挨拶に行くとまで吹き込まれていたものだから、テツは慌てて百合根の家に駆け込んでしまう。チエたちはテツをそのままにしておく訳にはいかないため、ひとまず一家でおバァの家へ避難しようとするが……。
第11話 カルメラの決心の巻
お店を持つことになったカルメラ兄。感心したおバァは一杯おごることに。学校から帰ったチエにカルメラ兄に女が出来たのではと話すおバァ。酒に酔ったカルメラ兄は「ウラミを晴らす」、「刺し違えてでも」等とぶっそうなことを言いながら歩いていた。それを聞いたテツは自分のことだと思いこみ、ミツルのところへ飛んでいく。ミツルはそんなことより昔の不良仲間、アケミを見かけたことが気になっていた。カルメラ兄の決心とは……。
第12話 揺れるカルメラの巻
カルメラ兄が店を持つとチエから聞いてたまげるテツ。自分の命をとりにくると思っていたテツは事情が掴めず、とりあえずカルメラ兄のところへ向かう。様子がおかしいカルメラ兄を気づかうカルメラ弟だがそれもうまくいかない。百合根の店に行ったカルメラ兄は、虫の居所が悪いのか百合根を怒らせる。店を出ようとしたが、慌てて中に戻るカルメラ兄。おバァが外を見ると、なぜかアケミが歩いていたのだった。
第13話 あの時の「泣き別れ法善寺」の巻
テツはチエとカルメラ弟がカルメラ兄の女の話をしているのを聞いていた。そのことでカルメラ弟に話を聞きに行った。アケミはチエに会うために学校を訪れる。テツの昔の恋人だと聞かされ混乱するチエ。アケミのことでテツに何を喋ったのか、カルメラ弟を問いつめるカルメラ兄。テツに喋った「泣き別れ法善寺」とは、歌手をやっていたアケミが出したレコードの題名だった。セツコと書かれた名刺を受け取ったチエはますますワケがわからなくなるのだった。
第14話 「泣き別れ法善寺」をうたいたいの巻
テツは「泣き別れ法善寺」の歌を覚えるためとレコードを探していた。カルメラ兄はテツにアケミのことを感づかれたのかと不安になっていた。レコードを見つけ、喫茶店で歌を覚えようとしているテツにつき合わされるチエ。最近、テツは推理がどうのこうのと意味不明なことを言っている。チエは店を出して張り切っているカルメラ兄の邪魔をしにいくのかと勘違い。テツがカルメラ兄の店の前で「泣き別れ法善寺」歌いだすと、突如その場から逃げるカルメラ兄だった。
第15話 カルメラは何処にの巻
カルメラの店に看板が出来た。お祝いをしようと言うおバァだが、肝心のカルメラ兄はあの日以来、三日も帰って来ていない。自分もカルメラを焼けるようにならなければと必死で練習するカルメラ弟だが、テツがアケミのことを知っていたと聞きショックを受ける。同時にジュニアも百合根のところからいなくなっていた。訳も分からず周りを引っかき回したテツだったが、自分も訳が分からずスランプに陥っていた。