第1話 第58部を始めるにあたっての巻
小鉄は戸を開けるなり、猛ダッシュで駆けていった。毎日、百合根は猫用の元気薬「マタタビン」を五本も小鉄に飲ませているのだ。闘猫の相手からの連絡を待っていたテツだが、ジュニアの仇討ちに燃える百合根はテツに早よ探してこい、と命じた。テツはボスの所へ向かうが、闘猫人は温泉に行っており、次回対戦の日時は未定とのこと。テツはボスが今度の勝負で店を賭けていることを聞き、勝敗はどちらでもいいと思いはじめる。一方、小鉄の異常な動きに気付いたチエ。やがて薬の反動で抜け殻の様になった小鉄を見つけた……。
第2話 小鉄のマタタビン疲れの巻
小鉄は屋根裏にいた。チエが様子のおかしい小鉄を隠していたのだ。重なるマタタビンの服用でぐったりする小鉄。一方、百合根はジュニアの包帯巻をほどこうとしていた。もともと百合根の過剰な愛情がさせただけのこと。ジュニアは包帯から出たくてたまらなかったのだ。犬のように首縄をされて小鉄のところへ向かうジュニア。百合根の手にはマタタビンの手みやげがあった……。小鉄はテツに居場所を気付かれて再びマタタビンを飲まされるハメに。やがて、マタタビンが切れてへたる小鉄だった。
第3話 パワーアップ小鉄の巻
とうとう小鉄の対決の日が決定。張り切るボスだが、テツの興味はもはや薄れてかけ……。テツから小鉄のマタタビン切れの状態を聞いて焦るボスは、小鉄のいるお好み焼屋に確かめに行くことに。ボスは百合根の前でジュニア誘拐犯であることを悟られないように演技をするが、ちょうど店に来たチエは白々しい素振りに呆れる……。その時、ジュニアが顔を見せる。ジュニアは小鉄に仇討ちしてもらいたいため、あえてボスの行動を静観していた。百合根は今度はマタタビン五本分の効果があるマタタビンスーパーを用意した。
第4話 人間マタタビンの巻
百合根が大慌てでテツの所にきた。ジュニアと小鉄が消えたというのだ。小鉄がいなくなると元も子もなくなるのでテツも焦る。チエに今度の土曜日までに探せと命じる。小鉄は周の診療院で針山のような姿になっていた。薬漬けを直すためにジュニアが連れてきたのだ。一方、お好み焼屋ではボスがマタタビンスーパーを手土産にやってきた。しかし百合根もテツも不機嫌。百合根はボスの不審な言動をみて、マタタビンスーパーをボスに飲ませることに。ボスのことは他人事と見ているテツもジュニアの仇討ちのためと協力する。
第5話 片手に日本酒 片手にマタタビンの巻
百合根はジュニアが行方不明になった腹いせにマタタビンと日本酒をチャンポンで呑んでいた。それを見た子分は焦りだす。その話を聞いたテツは責任逃れ……ワシは関係ないと言い出し、相手の猫に賭けると決めた。百合根の前で体裁を取りつつ、腰が抜けた小鉄に賭けたくないテツはカルメラ兄弟に賭けさせることを思いつく。チエとヒラメは小鉄の様子を見に周の診療院に行くが、小鉄は退院したとのこと。その頃、小鉄はジュニアの指導のもと、トレーニングをしていたのだ。小鉄を見つけた子分は土下座して勝利を頼み込む。
第6話 ギブアンドテイクで大繁盛の巻
チエの前で地獄組の子分が土下座をする。なんとか小鉄をやる気にさせてほしい、というのだ。ロクでもない下心が見え見えの説得をチエは黙って聞くだけ。小鉄はジュニアからこれまでの経緯を聞くことに。ジュニアは闘猫相手の尋常ではないパワーの訳を確かめるために、マタタビン漬けの小鉄を観察していたこと。そして、今回の件は闘猫バクチということを打ち明ける。みんなの賭金を背負って仇討ちをしなければいけない状況を知り、小鉄はひっくり返るのだった。その夜、チエの店では小鉄に賭ける者がたくさん来て大繁盛だった。
第7話 闘猫の日の朝の巻
朝、家を出かけようとするチエとヨシ江の前に、徹夜明けでフラフラのテツと、呑んで絶好調の百合根が登場。今日が闘猫の日なのだ。その頃、ジュニアは小鉄に必勝法を伝授していた。相手の猫“鳴かずの権八”も薬を飲用している猫。キンタマの光が点滅しだしたら、薬が切れかっている証拠だからその時を狙って叩けという。その頃、地獄組のボスと子分は会場のひょうたん池でリングを作っていた。マタタビンに金を貢ぎすぎて、大工を雇うことができなかったのだ。今晩で今までの負けを倍にして返したる、と意気込むボスだった。
第8話 闘猫の日の夜の巻
いよいよ試合の時間が近づいてきた。ジュニアの仇討ちの時を待ち、爆発寸前の百合根はここ一番に呑むという「マタタビン酒」を抱えていた。百合根はバクチのことを気付いていたのだ。やがて、子分が迎えに来て百合根は小鉄にハッパをかける。勝手に事が進み、渋々出かける小鉄だった。おバァはテツが賭けに参加しないと聞き不審に思ったが、カルメラ兄弟に賭けさせたと察知して兄弟に聞く。テツは相手の猫が必ず勝つ勝負と分かり、自分の全財産をカルメラに託したのだ。おバァは金を受け取り、「竹本テツ」の名前で賭けることに。
第9話 闘猫の果ての巻
闘猫が始まろうとしていた。小鉄に賭けたのは地獄組のボスだけ。一人勝ちと始まる前からはしゃぐ。対戦相手の控え室では闘猫人がスペシャルブレンドのパワードリンクを用意していた。やがて権八がリングサイドに登場。ストローでドリンクを飲む権八の目が光る。やがて、試合開始。オリに入った途端、権八は猛スピードで攻撃を始めた。ジュニアのアドバイスで時間稼ぎをする小鉄。やがて権八はエネルギーが切れて自爆。逃げただけの小鉄が勝った。しかし、勝負に納得の行かない百合根はマタタビン酒を呑んで大暴れ。
第10話 闘猫場立入禁止の巻
地獄組のボスがひょうたん池で散歩の途中に店の権利書をなくしたとミツルの交番に相談に来た。ミツルはチエに心当たりを聞くが、バクチ絡みの話ゆえにチエはテツに任すことに。テツは闘猫の行われた土曜日から家にいないのだが……。チエはおバァとひょうたん池にテツを探しに行くことにした。闘猫場のあったところリングの囲いで作ったには「立入禁止」の看板があった。そこには子分がいた。百合根が暴れたどさくさで店の権利書がなくなり、子分はボスとふたりで必至になって探している最中だったのだ。
第11話 長い長い闘猫の終りの巻
周りのほとぼりが冷めた頃、小鉄が帰ってきた。チエは百合根の行方を聞くが、小鉄は周の診療院にいることを知っていた。そのとき闘猫人が登場。権八に逃げられた闘猫人は権八が着ていたガウンを小鉄にプレゼントする。しかし、小鉄はさっきまで診療院で権八と居たのだ。その権八は針のむしろになっていた。長い闘猫生活の末、引退を決意していたが、隣りで聞いていたジュニアの腹の虫は収まらない。そこには百合根も針を打っていた。診療院に着いたチエは、百合根の背中に権利書がくっついているのを見つけた。