コミックス資料館

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第61巻 <もくじ>

「詞になる少女」の巻
「女の詩が爆発する」の巻
「男の詩も歌いたい」の巻
「堅気屋の暗黒」の巻
「常連さんを大切にする」の巻
「メロンの気持ち……」の巻
「ぶつぶつの絨毯爆撃」の巻
「ジュニアのカウンセリング」の巻
「猫医者の身元」の巻
「猫医者の告白」の巻
「破裂する応援歌」の巻
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第1話 「詩になる少女」の巻
チエは明日から新学期を前に、ひょうたん池のベンチで“完全休養”。小鉄を見張りにたてて昼寝していた。その様子を通りすがりの二人組の男性が見つめていた。詩になるかと聞くメガネの男に、“先生”と呼ばれる男は淋しさを感じるだけと、いうのみ。しかしメガネの男に追跡を命じる。やがて起きたチエは店の時間、とベンチを去るが、男はその時、場所を外しており、チエを見失ってしまう。後に偶然チエの店を見つけた男は約束をして、“先生”を連れてくる。“先生”は大阪を舞台にした詩を書くつもりらしいが……?
第2話 「女の詩が爆発する」の巻
材料を運びに来たおバァに、チエはチップでもらった一万円を見せて昨日の出来事を話す。昨晩の客は作詞家、新庄ゲンとそのマネージャー岩田。実は岩田は新庄に詩のイメージを湧かせるために大阪の方々をまわっていたのだ。頼んだホルモンを小鉄に振る舞う二人。新庄の詩ができるまで毎日チエの店にくるというが、いずれテツとモメ事を起こしそうでチエは少し心配……。やがて今日も来た二人。新庄はヨシ江を見て一転、ヤル気になる。
第3話 「男の詩も歌いたい」の巻
チエは放課後にカルメラ亭へ行く。かつて流しの歌手をしていたカルメラ兄に“新庄”の名前を伺うためだ。はたして、兄は知っており、それなりに有名な人物らしい。家に帰ると岩田が待っていた。ヨシ江のおかげで創作意欲が湧いた新庄のために、定休日でも営業してくれといいだす。交渉はさらに及び、一曲につき二万円のボーナスと言い出す始末。それを店の隅でテツがしっかり聞いていた。やがて、店の開店時間になったが、新庄達はこなかった。なぜならテツが男の悲しさにピッタリの店、お好み焼屋に連れていっていたのだ……。
第4話 「堅気屋の暗黒」の巻
チエは新庄達に無断キャンセルをされてヒラメに愚痴をこぼすが、その直後に当の本人にばったり会う。ヒゲの男からチエの店の代わりに「堅気屋」というお好み焼屋に案内されたと聞き、テツの仕業と判明。しかし、新庄はお好み焼屋でもまんざら悪くない様子……。やがて“貸切”の張り紙とともにカギが掛けられるお好み焼屋。中ではノイローゼのジュニアと伝染した百合根がボー然と立っていた。新庄は大喜びで仕事にとりかかり、テツはギャラの計算に余念がない。見かねた小鉄は百合根の“気付け薬”を準備した。
第5話 「常連さんを大切にする」の巻
気付け薬で爆発した百合根は小鉄に命じて、店の戸を板で打ちつけさせる。新庄達は酔った百合根にいい歌ができるまで“缶詰”にされるハメに。小鉄が弁当を運んでいるところをおバァが見つける。テツは小鉄とひとつの安物弁当を食べされられているのだ。テツは助けを求めるが作詞家新庄の仕事ぶりは絶好調と聞き、おバァは安心して無視をする。その夜、店に立つチエの元に配達屋が荷物を届けにきた。中身は新庄からのお礼の品、高級メロン。こんな時に限って常連や拳骨やミツルが来るものだからチエは半ベソに……。
第6話 「メロンの気持ち……」の巻
チエは昨晩のメロンをヒラメと食べようと楽しみにしていた。しかし、家の冷蔵庫を見ると二切れあったはずのものが一切れしかない。結局ヒラメと極薄メロンを食べることに。二人でお好み焼屋にいくと、ちょうど新庄の曲ができたと百合根が騒いでいたところ。小鉄が入口の打ちつけ板を外していた。メロンを食べた犯人はテツではないことが分かる。本当の犯人はおジィだった。チエが用意したものと勘違いして食べただけ。真相が分かったおジィは真っ青に……。その夜、チエの店では新庄のオゴリによる打ち上げが行われた。
第7話 「ぶつぶつの絨毯爆撃」の巻
ジュニアは相変わらずノイローゼのまま。小鉄がひょうたん池まで連れていくも、ジュニアはウツのまま。百合根が新庄に作らせた“応援歌”もジュニアにはプレッシャーなのだ。百合根はジュニアの行方を尋ねにチエの家に向かう。そこでテツに捕まってしまい、逆恨みの“ぶつぶつ”小言に付き合わされることに。逃げるに逃げられない百合根はチエに捜索を託す。やがて、ひょうたん池で、チエの声を聞いた小鉄。チエを招くためにジュニアの側から離れる。その隙に、不思議な猫がジュニアの前に登場。どこかに連れていってしまう。
第8話 「ジュニアのカウンセリング」の巻
ひょうたん池でジュニアを探す百合根たち。小鉄にとってもジュニアの行方は心当たりがない。ジュニアはその頃、小屋でうたた寝から目を覚ました。聴診器をもった“猫医者”が話しかけてきた。猫医者はジュニアに精神カウンセリングを始め、ジュニアの深層心理を探り出す。やがて、偉大な父親像への愛憎がジュニアのノイローゼの原因と突き止める猫医者。ジュニアを連れてアントニオのハク製のあるところ、お好み焼屋へいく。
第9話 「猫医者の身元」の巻
ジュニアが戻ってきたことで頭いっぱいだった百合根。冷静に考えて以前よりもひどい症状になっていることに気づき、慌てて家に戻る。猫医者はアントニオのハク製を連れて、二階にいた。百合根はアントニオのファンかも、と思いきり勘違い。猫医者の隣に居るジュニアは顔を真っ黒にして、無言のまま佇むだけ……。猫医者はショック療法とばかりにアントニオをけなし始める。ジュニアの影はみるみる広がり、いっそうひどい状況に。百合根は新庄に電話をして“応援歌”をもってこいと脅すが、その時、猫医者が新庄の猫だと分かる。
第10話 「猫医者の告白」の巻
猫医者の飼い主、新庄はジュニアの“応援歌”を持って、これから猫医者を迎えにくることに。その事を知った猫医者はジュニアのノイローゼが移った様になってしまう。彼ももまた、自分の生い立ちにコンプレックスを持つ猫だったのだ。猫医者は「ゲン太」と名を受けられ、新庄家で溺愛を受けて人間のつもりで生きていた過去を語り出す……。その頃、駅では百合根がコップ酒を片手に新庄がくるのを待っていた。
第11話 「破裂する応援歌」の巻
百合根は爆発寸前。駅で新庄を見つけるなり、ゲン太を渡すのは応援歌の効果を確かめてから、と取引を始める。もし、効果がなかったらゲン太を“鉄板焼”にする、と言い出す。一方のゲン太こと猫医者はまだ小鉄相手に独白を続けていた。いよいよ聞かせるときが来た。百合根は新庄から受け取ったCDを取り出し、押入れから出した“蓄音機”に掛けた。すさまじい音が響く。このおかげでジュニアのノイローゼは直ってしまった。